こよみと暮らす

こよみと暮らす 第七回『夏至』

いらかの波と雲の波。という歌いだしではじまる、鯉のぼりの歌を思い出すような風景です。 『歌姫越え(歌姫街道)』奈良市歌姫町 民家Photo 井上博道 奈良市の中心部からほど近い歌姫町。写真は、旧街道沿いの古民家の屋根を捉えています。もともと平城山丘陵と呼ばれるこの付近一帯では、瓦に必要な粘土や燃料が豊富で、瓦窯跡がいくつも残っています。 初夏の日差しに照らされ ...
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こよみと暮らす 第六回『芒種』

『ヒメレンゲと清流』奈良県吉野郡川上村武木川 Photo 井上博道 岩の間を勢いよく流れる川の水、その中ほどに見えるのは、五つの花弁が星のように見えるヒメレンゲの可憐な花。カメラがシャッターを切るわずかな間に、あっという間に目の前を通り過ぎていく水の姿と、じっと止まっている植物。その動と静の対比を切り取った一枚です。 しっとりと濡れている苔は、それこそずっと同じ ...
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こよみと暮らす 第五回『小満』

ちょうど5月の連休のころでしょうか。さらさらと風に流れる藤の花、かなり高いところをそよいでいるように見えます。 『藤』奈良市 飛火野 Photo 井上博道 撮影されたのは、奈良公園。東大寺や興福寺など歴史の教科書でも馴染み深いお寺があり、鹿たちがのんびり過ごしている。修学旅行を思い出す人もいるかもしれません。 その一角にある春日大社は、藤の名所でもあり ...
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こよみと暮らす 第四回『立夏』

少し前まで、柔らかく淡い色味をしていた木々の葉も、しっかりと緑が濃くなり、厚みも増して。道を歩けばサワサワと街路樹の葉が揺れる音がする。仕事中、草刈機の音が気になり締めていた窓を開けると、風と一緒に刈ったばかりの草の匂いが届きました。 夏は来ぬ、立夏です。 『新緑』奈良県吉野郡野迫川村 Photo 井上博道 奈良県南部、吉野の山々も、冬はしんと眠ったような ...
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こよみと暮らす 第三回『穀雨』

春先に花をつける白山吹の花。 ヤマブキと言うと、色の名前としても知られる黄色い花が思い浮かびますが、この「白山吹」と「山吹」は花弁の数なども異なる、別属の植物なのだそう。 『白山吹』 Photo 井上博道 年度も明けて一段落した今日このごろ、新生活の疲れが出ていませんか。ちょっと一息、お茶を入れて、休憩にしましょうか。 週末の天気がすぐれないときは、「ま ...
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こよみと暮らす 第二回『清明』

するすると滑らかな水の流れが、草を湿らせて下っていく。 やがて吉野川に注ぐこの水流は、「象(さき)の小川」と呼ばれ、万葉の歌人も歌に詠んだとか。 『象(きさ)の小川』 奈良県吉野郡吉野町喜佐谷Photo 井上博道 さて、季節は春。二十四節気では清明です。 ひとつ前の春分に比べると、あまり馴染みがないというか、「よし、今日から清明か!」と意識することは少ないか ...
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こよみと暮らす 第一回『春分』

奈良県・宇陀市。大きな山を背景に、大きく枝垂れて咲く桜。 鮮やかな桃の並木のなか一本でひときわ存在感を示すこの桜は、樹齢約300年。この地にゆかりの戦国武将から「又兵衛桜」と名付けられています。 『又兵衛桜』 奈良県宇陀市大宇陀本郷Photo 井上博道 そんな歴史背景を知るとなおさら、石垣の舞台から乗り出すように咲くその姿に、なんだか芝居のクライマックシーンのよう ...
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