商品を語る

上級者さんへ、黒お台ふきのススメ

使い込むほど柔らかく馴染んでいく蚊帳生地のお台ふき。機能性に富んだ使い心地と、19色の美しい色で、長年ファンの多い逸品です。 意外と人気なのが「墨」色。いろんなメーカーから蚊帳ふきんは出ていますが、蚊帳のお台ふきで黒色って、ちょっと珍しいんです。 初めての購入や贈答には選ばれにくいお色ですが、一度ハマるととこと ...
商品を語る

からだに沁み入る、茎のほうじ茶

当店で知る人ぞ知る逸品、中井製茶さんの「かりがねほうじ茶」。 中井さんは奈良の北、山背(やましろ)で土づくりからこだわって、完全無農薬の有機栽培でお茶づくりをされています。 「かりがねほうじ茶」は煎茶や玉露の茶葉のうち、茎の部分を中心に使った特別なお茶です。「雁が音」の名は、渡り鳥の雁が海上で体を休めるためにとまる小枝に似ているからだとか。情景が思い浮びます。 一般的なほうじ ...
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【林田千華 ブログ】わたしのサステナビリティ事情

井上企画・幡の代表である林田千華が、会社のことや生活のことなど、あれこれと綴ったブログ。 前回のブログでは「地球の為に今できること」と題して、会社で取り組むアップサイクルのことを紹介しましたが、では自分の生活はどうなのか…と。 人類共通の課題「気候変動」ですが、個人レベルでは何が出来るのでしょうか。 私自身、SDGsのことを恥ず ...
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【林田千華 ブログ】地球の為に今できること

井上企画・幡の代表である林田千華が、会社のことや生活のことなど、あれこれと綴ったブログ 2年半前より手掛けてきた「蚊帳再生プロジェクト」。 今秋よりアップサイクルの商品を販売します。 本来であれば捨てられるはずの残布に新たな付加価値を持たせることで、別の新しい製品に生まれ変わりました。 蚊帳の洋服を作る際にで ...
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【林田千華 ブログ】HIM

-井上企画・幡の代表である林田千華が、会社のことや生活のことなど、あれこれと綴ったブログ- 2022年6月28日、HIM(ヒム)井上博道記念館が開館しました。井上企画・幡の創業者である父は自然の風景、社寺建築、仏像、風俗など、日本の伝統と美しい風景を独自の感性で表現した写真家でした。 「写真家と自然素材を扱うメーカー」が井 ...
幡にふれる

【幡にふれる】かやパンツ、リニューアルものがたり

井上企画・幡の広報担当が、ものづくりや商品企画の裏側をお見せします。 近鉄に乗って奈良へ行く。 駅を出て見えるのは噴水の中に立つ行基像。アーケードの商店街をぬけると、猿沢池の側を歩く鹿たち、左手に興福寺の鐘が鳴っている…。 奈良の街って久しぶりに訪れても、昔と変わらない景色に迎えられる感じがします。でも実際住んでみると、意外とお店の入れ替わ ...
幡にふれる

【幡にふれる】食卓に新たな色を

井上企画・幡の広報担当が、ものづくりや商品企画の裏側をお見せします。 「麻は和風」そんなイメージが根強くあるように思います 前回、手績み・手織り麻である「旧製生平」の魅力に迫りました。(前回の記事はこちら)手間と時間を存分にかけた麻生地のテーブルウェアは、重厚な雰囲気が味わい深いです。 ...
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【林田千華 ブログ】美しい島、美しい手仕事

-井上企画・幡の代表である林田千華が、会社のことや生活のことなど、あれこれと綴ったブログ- 湿潤な空気と海からの潮の香、豊かな自然。町中に出るとオーストラリア人とみられる観光客がバカンスを楽しんでいる。約25年前、バリ島でカバンの持ち手やタペストリー用のバー、商品にあしらうガラスビーズの仕入れを始めました。チーク材に研磨した貝をほどこした幡オリジナルのパーツを ...
幡にふれる

【幡にふれる】手績み・手織り麻を味わう

井上企画・幡の広報担当が、ものづくりや商品企画の裏側をお見せします。 私たちが会社設立の頃から34年間作り続けてきたのが、日本の色を麻生地に写したテーブルウェア。井上企画・幡の原点ともいえる製品です。 麻のテーブルマットを使った華やかなテーブルコーディネート テーブルウェアに使用している麻の生地、実は種類があります。 ...
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【林田千華 ブログ】初めまして。

井上企画・幡の代表である林田千華が、会社のことや生活のことなど、あれこれと綴ったブログ 初めまして。 入社25年の林田千華と申します。 約9年間つづっていた、母、井上千鶴からこの度ブログのバトンを受け取りました。 母のブログは「幡の想い」として社長の考え方や会社の方向性を、ブログを通して表していました。 私は、本社・直営スタッフはもちろ ...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第二十三回『啓蟄』

3月に入ると少しずつ、暖かな日差しが届くようになり、ここから三寒四温を繰り返しながらいよいよ待ちに待った春がやってきます。そんなよろこびを家のなかにも感じたいという気持ちなのでしょうか、花屋の店先はこのごろ、いつにも増してにぎわって見えます。行事の多い3月は花屋さんの繁忙期。ブーケに使われる切り花にはトレンドがあるようですが、昔から変わらず店先に並んでいるのが、桃の花。...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第二十二回『雨水』

寒が明け、暦の上ではもう春ですが、寒い日が続いています。北国では雪解けの待ち遠しいこのころ。桜の季節を目指して勉強している学生さんも、ラストスパートでしょうか。雪や氷が少しずつ雨に変わる兆しを見せることから、二十四節気では、この時期を雨水と呼びます。澄みきった晴天の冬空も、少しずつ春の天気に移り変わろうとしています。...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第二十一回『立春』

冬の終わりから花をつけはじめる梅は、別名、春告草といいます。 奈良時代に中国からもたらされ、広く親しまれるようになった梅の花。「お花見」というと桜をイメージすることが多いですが、もともと万葉集などに詠まれた「花」という言葉は梅を指したものです。 五月川を望む山肌に1万本以上の梅の木が見られる「月ヶ瀬梅渓」をはじめ、奈良には梅の名所が多くあります。...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第二十回『大寒』

低く柔らかく差し込む朝日が、水面を照らす風景。夜明けの空を映して、全体が鈍い銀色に輝いています。風が吹いているのか、水面は細かく波打ち、一見すると雪原のようでもある。いかにも冷たい空気が感じられそうな、冬の三方五湖(みかたごこ)です。福井県南部の沿岸部に連なる5つの湖は、海水や汽水、淡水など水質や深さが異なることから、水の色がそれぞれ違って見えるという特徴があります。...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第十九回『冬至』

秋口から紅葉を始めていた木々は、すっかり葉を落とし、今は太い幹や枝が冬の低い陽を浴びて黒々とした姿をあらわしています。そんななか、常緑樹である椿の木はつやつやとした肉厚の葉を茂らせ、少し前から膨らんでいた蕾が、このごろ少しずつ花開くようになりました。奈良には古くから「大和三名椿」と呼ばれる、椿の名所があります。...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第十八回『大雪』

夜から雪が降り始めた翌朝は、カーテンの向こうに別世界が広がる。見慣れた風景が白い雪に覆われ、誰も足跡をつけていない白い道には独特の清らかさがある。雪国ではそこから長い冬がはじまります。12月に入り、季節は「大雪」を迎えました。雪に覆われた山は眠ったように静かに見えます。一方、温暖な地域では少し雪が積もっても、お昼過ぎにはすっかり溶けて日常が戻ってくる。初雪の朝の慌ただしさも...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第十七回『小雪』

山の紅葉は頂から徐々に麓に下りてくる。街路樹が赤や黄色に変われば、山は雪をかぶりはじめます。時折、襟元を抑えたくなるような冷たい風が吹くようになったこのごろ。二十四節気では「小雪」です。視点を少し遠くへ渡せば、季節の移り変わりを感じられます。イチョウ並木の下には少しずつ黄色の絨毯ができ始めています。風が吹けば、カサカサと乾いた音を立てて落ち葉が舞う。緑だった葉は、黄色に赤に。深く濃い赤に染まった葉は、...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第十六回『立冬』

気温がグッと冷え込んで、秋が深まってきました。もう少し厚手の上着を選べばよかった、と思う日もありますが、晴れた空はどこまでも高く秋らしい陽気です。桜並木はすっかり葉が落ち、いち早く冬支度。一方、イチョウの葉はしっかり育って、これから迎える紅葉の季節を待っている。足元の銀杏を踏みつけないように気をつけながら、散歩を楽しみます。最近は、都市部のスーパーなどでも新米入荷の幟を目にするようになりました。...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第十五回『霜降』

たわわに実った柿の実。季節は実りの秋を迎えました。市街地でも、庭先に柿の木があるお宅を見かけることはありますが、こんなに大きく勢いのある枝ぶりはなかなか珍しい。写真は、奈良市の白毫寺町。以前「秋分」の回で、萩の花が咲くお寺を紹介したあたりです。年季の入った土塀と、秋の澄んだ空、その間で柿の鮮やかな色味が映えています。柿は、古くから俳句などにも読まれてきた日本古来のフルーツ。奈良も柿の産地として有名ですが ...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第十四回『寒露』

このごろは日が沈むのも早くなり、17時台でもかなり薄暗くなりました。西の空を見れば、オレンジ、ピンク、紫がかった色など、その日の天気によってきれいな色を見せてくれます。市街地に多くの池がある奈良では、夕日に染まる水面が美しい景色をつくります。今回紹介する写真が捉えているのは、奈良市西ノ京にある大池(勝間田池)の風景。池越しに薬師寺の東塔・西塔・金堂を望める場所です。黄昏時、人も建物も植物も影に沈んでいくなか夕焼けの色がひときわ映えています。 ...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第十三回『秋分』

春のお彼岸のころにはじまったこのコラムも、ちょうど半年が過ぎて「秋分」を迎えようとしています。この日を境に、昼よりも夜が長い季節がはじまります。9月のことを長月と呼ぶのは「夜長月」からきているそう。十五夜の満月、今年はきれいに見えるでしょうか。暑さ寒さも彼岸まで。秋の長雨を境に、空気が涼しく感じられる日が増えてきました。雨上がりに空を見上げれば、うろこ雲。サルスベリの花も季節の変わり目を伝えてくれます。 ...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第十二回『白露』

雑木林のうえに、ぽっかりと浮かぶ月。最近は少し日暮れも早くなりました。俳句の世界で、「月」といえば秋の季語です。月が詠まれた和歌は、百人一首のなかにもたくさんあります。「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」遣唐使として長く赴任していた阿倍仲麻呂が、遠く離れた唐の国から見える月に、故郷である奈良で見た月を重ねて詠んだ歌。この三笠の山というのは、春日大社の後方に見える御蓋山のことだそうです。 ...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第十一回『処暑』

奈良には、古くから変わらない風景が多く残されています。県の中部にある明日香村は、今から1400年ほど前、飛鳥時代の史跡が残る地域で、壁画で知られる高松塚古墳など、教科書に出てくる古墳や寺院を訪ねることもできます。景観を守るための取り組みが長年続けられたことによって、万葉集に詠まれた景色を今でも体感できる場所です。八釣の里と呼ばれる集落もそのひとつ。この時期、高台から見下ろせば、青々とした稲穂や里山の民家が見える。 ...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第十回『立秋』

早起きは三文の徳。暑い季節は特にそうかもしれません。まだ涼しく静かな朝方のうちに、体を動かしたり、仕事をはじめたりしておけば暑さの厳しい昼下がりには、ちょうどひと休みできる。子どものころはよく、夏休みの宿題は午前中に、と言われたものです。夏の朝の特別な時間。蓮の花は夜明けとともに開きます。一枚一枚、ゆっくりと花びらが開いていき、中から黄色いオシベと花托が見えてくる。午後には花を閉じてしまうため、寝坊していてはお目にかかれません。 ...
こよみと暮らす

こよみと暮らす 第九回『大暑』

水面から浮かび上がるような、白い花。梅にも似たその姿から、梅花藻という名前を持つ植物です。ゆらゆらと水の間をたゆたう様子、想像しただけでもちょっと涼やかな気持ちになる。水温が一定な冷たい清流でしか育たないので、温暖な地域ではなかなかお目にかかれない。滋賀県醒井の地蔵川には500mにわたって、この梅花藻が生育していて、夏場、その姿を見に訪れる人も多いそう。 ...
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