こよみと暮らす 第四回『立夏』

こよみと暮らす 第四回 立夏
少し前まで、柔らかく淡い色味をしていた木々の葉も、しっかりと緑が濃くなり、厚みも増して。道を歩けばサワサワと街路樹の葉が揺れる音がする。仕事中、草刈機の音が気になり締めていた窓を開けると、風と一緒に刈ったばかりの草の匂いが届きました。

夏は来ぬ、立夏です。
『新緑』
『新緑』奈良県吉野郡野迫川村 Photo 井上博道
奈良県南部、吉野の山々も、冬はしんと眠ったような雰囲気だったのに、今ごろは彩りを取り戻し、新緑がモクモクと立ち上がってくるかのよう。

たんぽぽからツツジ、菖蒲へと、身近の花もなんだか徐々に大輪のものが増えてきているような。よく見れば、青々と茂る紫陽花の葉のなかには、すでに小さな蕾が準備をしている。

春先、一番に花をつけた梅は、もう丸々とした実をつけています。うっかりもいでしまわないように、そっと触れてみると、産毛の感触が気持ちいい。
どんどん巡っていく季節。あたたかい日差しと、さわやかな風を受けて歩きたいこの5月を、待ちわびていたアイテムがあります。

今年の春に新しく生まれた、蚊帳の服、かやフーディです。

蚊帳は、幡ではもうおなじみの素材ではありますが、この生地を2枚重ねて、普段使いのパーカーのような形に仕立てました。
長袖一枚では少し寒い日に上から羽織るもよし、半袖やノースリーブに重ねれば、腕に心地よく蚊帳生地が触れます。

袖ぐり部分を斜めに切り替える“ラグラン”の形になっているので、腕まわりもゆったりと動きやすく、シルエットも肩に沿って柔らかく見えます。

ガーデニングや、ウォーキングなど、“ご近所アウトドア”をイメージしてつくったものですが、エアコンの季節にオフィスなどで羽織るのも良さそう。下に合わせる素材が透けるので、色味は合わせやすいものを4色用意しました。
使いはじめるときは、ほかの蚊帳製品と同様に、まずぬるま湯で水通しを。パリッとした蚊帳の新品をお湯につけた途端、驚くほど一気に、ふにゃんと柔らかくなる。その瞬間、なぜかいつも、つられてニヤリとしてしまいます。

数回優しく押さえるように、押し洗い。お湯の中ではかなり柔らかくなった気がしても、使い始めはまだ少し糊のパリッとした感触があるかもしれません。

干すときは少し丁寧に形をととのえて。Tシャツなど柔らかい生地の服をハンガーで干すと肩のところがポコッと型がついてしまう現象、「洗濯あるある」ですが、蚊帳生地は乾いたあとでも、手で少しなでれば、干しグセが目立たなくなるのがありがたい。忙しい日常の相棒にふさわしい素材です。二回目以降はネットに入れて洗濯機で洗えます。
濡れてもすぐに乾く、蚊帳の素材。やがて来る梅雨や、夏の水遊びにも活躍する気がします。小さくまとめて持ち運べるし、出張など、一人でビジネスホテルに泊まるときは、インナーの上に羽織ればそれだけで部屋着になりそう。

それにもうひとつ。植物だけでなく、虫たちも活発になるこのころ。白いシャツを着て歩くと、いつの間にか…ということもよくありますよね。「風は通すが、蚊は通さない」、蚊帳の本領発揮かもしれません。

幡の新しい仲間「かやフーディ」を羽織って、季節と親しんでください。

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