こよみと暮らす 第三回『穀雨』

こよみと暮らす 第三回 穀雨
春先に花をつける白山吹の花。

ヤマブキと言うと、色の名前としても知られる黄色い花が思い浮かびますが、この「白山吹」と「山吹」は花弁の数なども異なる、別属の植物なのだそう。
『白山吹』
『白山吹』 Photo 井上博道
年度も明けて一段落した今日このごろ、新生活の疲れが出ていませんか。ちょっと一息、お茶を入れて、休憩にしましょうか。

週末の天気がすぐれないときは、「まあ、無理せず家で休め」というメッセージなのかもしれません。

急に温かくなったかと思うと曇り空の日はまだどこか肌寒く、冬物を完全にしまうかどうか悩むこともある4月の後半は、二十四節気で「穀雨」に入ります。

昔はこの節気が、田植えをはじめる目安でもあったそう。

春の優しい雨が降ることで、野の花や植物、生き物がニョキニョキと育っていく。

春先から出回っていたタケノコ、一般的な孟宗竹のタケノコはそろそろ終盤。皮を剥いで自分で調理する機会があればぜひ、その色や形も愛でてみてください。

赤ちゃんを包むように幾重にも重なる皮、ジグザグジグザグと、動きを指で辿っていくと、なんだか新しい模様が見えてくるような気がします。

タケノコのように季節が限られる野菜や果物は、台所や食卓でも珍重されがちですが、実は普段から身近な食材も、まじまじと眺めてみるとおもしろい発見があるのかもしれません。

プリッ、スルリ、ギザギザ、ゴロリ。土に根をはる植物や、畑からやってきたものたちは、そんな効果音を入れてあげたくなるような、みずみずしい姿かたちをしています。

自然界にある生き物や植物の様子を、リズミカルな模様でとらえたのが幡の「新ビオ」シリーズ。
「コノハ」のように、ひと目見てモチーフがわかるものもあれば、これはなんだろう?と想像をかきたてるものもある。黄色いつぶつぶが並んだ「キビ」は、トウモロコシなどの穀物を表したものです。

この新ビオシリーズは、テーブルウェアやスリッパのように家のなかで使うものから、バッグなどファッションの一部として楽しめるものまで、さまざまなアイテムがあります。

生成りの麻生地に単色でプリントを施しているので、派手になりすぎないのもよいところ。

縞や格子にも似た模様の「シダ」と「カク」は、普段あまり柄ものを取り入れない方の装いにもなじみやすいと思います。

丸と線のリズムで、木の実を表した模様の「キノミ」。生成りに黒なので、色のあるコーディネートにも合わせられるし、逆にモノトーンの装いに合わせると、模様が際立って、さし色ならぬ、「さし模様」として楽しめそう。全体のコーディネートのなかで、ちょっと動きが出せます。
冒頭で紹介した白山吹も、花が終わると黒い小さな実をつける。葉が落ちたあとも、枝先に小さな丸が点々と。

花びらはまあるく、葉っぱはギザギザ、と、身の回りの自然を模様や記号に置き換えながら観察してみると、見慣れた風景にもリズムを感じられます。

自然のものたちが、生き生き、にょきにょきしてくるこの季節。春はもうすぐ終わりそうです。

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